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心を心で育てる

ヤマボウシと梅の木

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11月になると我が家のヤマボウシとお隣のおうちの梅の木が一気に落葉しはじめます。お隣の方はあまり家にいらっしゃらないため、我が家の玄関先の道路は2本の木の落ち葉で埋め尽くされてしまいます。子育てで忙しかったときは、大量の落ち葉で門があかなくなるまで、落ち葉を放置してしまっていたこともありましたが、子育てもひと段落した今は、早朝の美味しい空気を吸いながら、落ち葉を掃き集める作業も楽しめるようになりました。
落ち葉を掃きながら自分でも不思議だなと思ったのは、隣のおうちの方の落ち葉を自分が掃いているときの恍惚感です。自分の家のヤマボウシの落ち葉を掃くのは当たり前なので何も感じませんが、お隣の梅の木の落ち葉を掃いているときに、「他人の家の掃除までして自分は偉い!」と思っている自分がそこにいるのです。近所の人が道路に出てくると、さらにその気持ちは強くなり、悦に入ってしまうので本当に滑稽です。化粧もせずに、部屋ぎ姿で道路を掃除しているおばさんにだれが注目し、賞賛しているでしょうか。ただの毎日の日常風景でしかないにもかかわらず、私の頭の中の舞台上では、そのような創造の世界が繰り広げられています。
 現実では、自分の家の落ち葉ではないのに、毎日掃除をしなければならないことに腹を立てる人もいると思います。もしかするとその割合の方が多いかもしれませんね。でも、私の場合は、仕事柄か、性格か、常に他人のために犠牲的行為をする自分に酔ってしまうようなのです。私の心の中には、犠牲行為をする自分を賞賛する「誰か」が存在しています。その「誰か」のおかげで、私はこれまでとても一生懸命に努力してきたように思います。努力できたこと自体は悪いことではなかったのだろうと思いますが、私は「自分」を満足させるよりも「誰か」を満足させるためにたくさんの時間を使ってきたことに気が付きました。
私の心の中にぽっかりと空いた穴があるのですが、そこが「自分」なのかな、と今思っています。「自分」を取り戻すために、今、努力をしています。ヤマボウシを掃く自分も、梅の木を掃く自分も、空気の冷ややかさに季節の変わり目を感じることができるようになった自分も、ともに愛おしく思える、そんな「自分」を大切にしていきたいなと思います。


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