特別支援教育
Knowledge translation DSMⅣ-TRからDSM5へ
早稲田大学の国際会議場で開催された発達障害学会に出席した。
今回の大会はアジア太平洋発達障害会議IASSIDDとの共催で、初日は国際会議基調講演からのスタート。
Vianne Timmons先生の講演テーマ「knowledge translation(「知見の解釈と伝達)」
は研究の成果(情報やインフラ)を一般の人が恩恵を受けられるような形に変えて届けるという意味だ。
無数の情報の中からクライエントにとってより効果的な方法を選び、クライエントに負担のない形で提供するために、我々臨床家は何をすべきか。
個人的な興味や関心の枠を越え、謙虚に学び続けること、
実践成果をお互いに共有すること、
そして、より総合的な視点をもって連携を深めていくこと、
臨床現場の前線にいる者の責任は重い。
その後のポストシンポジウムや特別講演では、わが国の発達臨床研究・教育・医療・福祉関係の第一線で活躍されている先生方から貴重なお話が続いた。
とりわけDSMⅣ-TRからDSM5への変更による現場への影響は大きいと感じた。
発症年齢による枠組みが取り払われ「神経発達障害Neurodevelopmental Disorder」という新しい傘の下に、
知的発達障害(精神遅滞から名称変更)、コミュニケーション障害、自閉性スペクトラム障害、ADHD、特異的学習障害、運動性障害などが位置づけられた。
ADHDは自閉性障害との併存が正式に認められるようになる。
最も大きな診断基準の変化は広汎性発達障害が自閉性スペクトラム障害へと名称が変わり、こだわりのないPDD-NOS(非定型広汎性発達障害)の一部がコミュニケーション障害の中の社会性コミュニケーション障害となることだろう。
この数年で自閉症スペクトラムへの理解が一般にも広がったと実感しているが、今後、おそらくDSM5の日本語版による診断基準の変更が一般的に広がり、足並みがそろうようになるまでには5年はかかるのではないだろうか。
PDD-NOSは広汎性発達障害の診断を受けているケースの約半数を占め、その90%以上がIQ85以上で知的障害のない発達障害である。
すでにPDD-NOSという診断を受けている場合は、今後、診断名が変わる可能性があるし、これから診断を受ける場合はどの診断基準を用いたかによって診断名が変わるという混乱が生じるだろう。
また、診断名にかかわらず、すでに十分な支援が受けられていて安定している場合は無用な不安を与える必要はないだろう。
これまで以上に医療との連携を密にしながら、保護者や本人へわかりやすいことばで説明していくように心掛けたい。
まさに「knowldge translation」は地域のつながりの中で高めていくべきものだと感じた。
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