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心を心で育てる

体罰を越えて

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2月に書き始めた体罰についての原稿がやっとできました。
自分自身の下手な子育ての原因がやっとわかった気がします。
気付きが遅かったので、子どもたちにはかわいそうなことを随分としてしまいました。
幸い、我が子たちは心が頑丈にできているらしく、今のところ元気に過ごしてくれていて何よりです。
親歴18年かかりました!
もう、誰か先に教えてくれればよかったのに!!

「体罰を越えて」

◆少しくらいの体罰は許される?
体罰や虐待など、子どもを育てる現場で、心の痛む事件が相次いでいます。これからの社会を担っている子どもたちの「心」を大切に育てていくために、我々大人は何ができるのでしょう。

桜ノ宮高校バスケット部コーチによる体罰事件は、スポーツ界だけでなく、教育界にも大きな波紋を投げかけました。体罰による教育はどのような理由であっても許されない、という一見当たり前のように聞こえる言葉が実は当たり前ではなかった、ということに衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。

その一方で、自分の子ども時代を振り返ると、親や学校の先生に叩かれることは珍しいことではありませんでしたし、厳しく叱られたことをちょっとした武勇伝のように懐かしく思い返すこともあります。その時代に育った世代が今の指導者の中心にいるわけですから、「体罰はいけない」と謳ってはいても、心情的には「少しくらいの体罰は許容範囲」という感覚が残っているのは仕方がないのだろうとも思います。

◆家庭の中での体罰の連鎖
家庭の中での体罰もしかりです。「いけないことをしたということを自覚させるために」「子どもの将来のために」という大義名分のもとに、しつけという名の「体罰」は親から子へ、子から孫へと暗黙の理解の中で連鎖されてきたのだろうと思います。

私自身も、悪いことをすると叩かれるのは当り前のことだと思っていましたので、自分の子育ての中でも、わが子に対して同じようなことをしてしまうことがありました。人様の子どもにそのようなことをすることはもちろんありませんが、わが子のことになると別で、自分が叱られたことと同じ行為を子どもが行うと無意識のうちに体が動いてしまっているという、不思議な感覚に支配されることがあったのです。

プロの心理士である私でさえ、親の立場に立つと冷静さを欠いた無意識の行動に支配されてしまうのですがから、思うようにならない子育ての中でで大変な思いをしている保護者の方に「体罰はいけません。」などという表面的な助言をしたところで何の役にも立たないことでしょう。

◆なぜ体罰はなくならない?
子育てや教育の現場で体罰はなぜ繰り返されるのでしょう。その問題を「情動」の働きから考えてみたいと思います。「情動」とは、自分にとって有利なことや不利なことが起こった場合、血圧が上がったり、脈拍が速くなるなどの身体反応を示したり、怒りや喜びなどの顔の表情を変化させたり、こぶしを握ったり、物を投げたりといった身体反応などを示す一連のシステムのことをいいます。

そして、脳は体の反応を平常に戻すような方向(心のホメオスタシス)へと即座に判断し行動を選択していると考えられています。

たとえば、子どもが思い通りにならないと大人がイライラして、大きな声を出して威嚇することがあります。これは、親としては子どもを恐怖心で操作しようとしているわけですが、実は大声を出すこと自体が、大人の怒りの感情を解消させ、興奮状態を鎮めることができる、いわゆる「スキッとする」ためです。そのため、子どもが言うことを効かなくても、親にとっては自分のイライラした気持ちを解消させるために大声を出し続けてしまうのです。

◆親子のバトルが続く訳
子どもにとっても親から叱られることは大きなストレスです。その恐怖から逃れるために親に従う場合もありますが、叱られることが繰り返されると慣れてきて、恐怖を感じなくなります。いうことを聞かなくなったのに親がそのまま叱責し続けていると、子どもはフラストレーションを解消するために、大声を出したり、乱暴行動をとったりすることがあります。

この行為は、自己を主張していると同時に、興奮した感情を思い切り親にぶつけて「スキッとさせる」ということにもなります。つまり、親も子も、お互いに嫌だと思いながらも、感情をぶつけることでスキッとし合っている、そのためにバトルが繰り返されてしまっているというわけです。

◆上手な叱り方
 では、どのようにすれば子どもに親の思いを上手に伝えられるのでしょう。行動療法という方法から、上手な伝え方、叱り方のポイントを2つ説明したいと思います。

まず、一つ目は具体的な行動のことばを使う、ということです。「早くしなさい」とか「いい加減にしなさい」「何度言ったらわかるの?」などの叱責のことばは抽象的で何をすればよいかわからないNGワードです。「洋服に着替えなさい」「棚にしまいなさい」「お風呂に入りなさい」などの行動のことばを使うと、次の行動に移りやすいので効果的です。1回で行動が変わらなくても、同じ行動の言葉を繰り返すと、何度も言われるのが嫌で、その指示に従いやすくなるということもあります。

二つ目は、肯定文を使用するということです。「棚に載ってはいけません」という否定文ではなく、「降りなさい」という肯定文で指示をします。「宿題をやらないと、ゲームができないよ」という仮定文で脅す、という方法は避け、「宿題をしなさい」または、「宿題ができたら、ゲームをしようね」という肯定文で話した方がよいです。否定文で叱ったり、仮定文で脅したりする方法は、自分が否定された気持ちになるために、反発心を育ててしまうからです。

◆頭ではわかっていても・・
私は上記のような方法を多くの保護者の方にお伝えしてきましたが、方法はわかっていてもうまくいかないというお悩みもたくさん聞いてきました。私自身も、子育てがうまくできない当事者でもありました。適切な方法が頭では分かっているのに、思うようにならないのはなぜかと葛藤しつづけた結果、親子の情動状態に注目するようになりました。

親が子に適切な行動をとってもらいたいと願うことは当たり前で、その通りにならないことに「怒り」を感じることもまた自然なことでしょう。しかし、その「怒り」を子どもに直接ぶつけるのではなく、適切な方法に変えていく必要があります。そのためには、情動状態を調整することが大切だということに気がつきました。

そこでまず、最初に、大人側が自分の情動状態をモニタリングし、平静な状態に保つ、ということから始めるようにしました。子どもの不適切な行動に対して、親自身が驚きや怒りで興奮している状態をまず自覚し、しばらくその場を離れたり、深呼吸をするなどの方法によって、親が自分の興奮状態を鎮めるようにしていきます。

また、日常的に自分自身がストレスを感じていることがあると、興奮状態は高まりやすいということもありますので、日頃から自分の情動状態に意識を向けたり、ストレスがたまらないように相談相手に話したり、趣味などの気分転換を心がけたりするようにとと勧めています。女性は生理前には情動状態が変容しやすくなりますので、手帳などで不安定になりやすい時期を把握しておくことも役立ちます。


一方、子どもの情動状態をモニタリングすることも大切です。子ども自身がすでに興奮しているようであれば、しばらくは近づかない、声かけもしないようにして落ち着くのを待つのがよいでしょう。少し話をしただけでも、興奮するようであれば、その時はあきらめて、時間をおいてから話すようにします。手紙のほうがよい場合もあるかもしれません。

つまり、親側も子ども側も、情動状態が安定しているときを見計らって話し合えるタイミングを探すということです。思春期の子どもの場合は、親が話すと興奮しやすいため、他人に話しもらう方がよいという場合もあります。「大人になってから親のいっていたことがわかるようになった」というように、数年後に効果が現れることもありますから、効果を実感できなくても、わが子の成長を信じ続けていきましょう。


大切なことに気がついたころには、ほぼ子育ても終わってしまっていたのがとても残念なのですが、現在、同じような苦労をされている親御さんに少しでもお役に立てるようにと、恥ずかしながらも自分の失敗を白状しています。理想通りの子育てが難しいことは十分経験積みですから、「わかってるけど、うまくいかない」と悩んでいらっしゃる方はぜひお気軽にご相談ください。

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